社内ワークフローにおける会社 Cloudflare アカウントの活用
会社の Cloudflare アカウントを社内ワークフローの支援に活用することを目的とします。まずはエビデンスのアップロードとプレビュー/レビューに絞り、必要に応じて段階的に拡大します。
1目的・範囲
- 会社の Cloudflare アカウントにある既存リソース(R2、Pages、Workers)を活用する。
- 自動テストレポート、スクリーンショット、ログ、ドキュメント、HTML レポートなどのエビデンスを保存・共有・プレビューできる場所を用意する。
- 社内ツールの準備時間を短縮し、本来不要な目的でお客様側のリソースへのアクセス権を申請する手間を減らす。
- 全社展開の前に、一部の開発者と1プロジェクトで試行する。
2利用予定のリソース
R2 — ストレージ
- テストレポート、スクリーンショット、動画、成果物
- ドキュメント、ログ、レビュー用ファイル
- Pages の上限(25 MiB)を超えるファイル
無料枠ありのオブジェクトストレージ。データ転送(egress)は無料。
Pages — ホスティング・プレビュー
- Playwright HTML レポート
- 自動テスト結果ダッシュボード
- プロジェクト/ビルド/実行単位のエビデンス一覧
Cloudflare Access — セキュリティ
- Pages の前段に配置し、会社の Google Workspace でログインした人のみ閲覧可能
- Zero Trust Free:最大50ユーザー
Workers — API(任意)
- アップロード/一覧 API、署名付き URL、権限チェック
- CI/CD と連携して成果物を自動アップロード
初期段階では不要な見込み。
3導入計画
Phase 1 — POC(約1週間)
- ダッシュボードの権限が必要なのは1〜2名のみ。Admin 権限はデフォルトで付与しない。CI は1つのバケットに限定した R2 API トークンを使用する。
- 社内エビデンス用の R2 バケットと、レポートプレビュー用の Pages プロジェクトを1つずつ作成する。
- Pages に Cloudflare Access を設定し、バケットは公開しない。
- 手動アップロード、または1つの自動テストパイプラインとの連携を試す。
- アップロード → 保存 → プレビュー/レビュー → 削除 の一連の流れを確認する。
成果物:1プロジェクトで試用できる POC、利用ガイド、実際のコスト。
Phase 2 — ワークフロー連携(範囲により1〜2週間)
- 自動テスト実行のたびに CI/CD からレポートを自動アップロードする。
- メンバー間でエビデンスを共有できるリンクを用意する。
- アップロード処理、メタデータ、アクセス制御に必要であれば Workers を追加する。
- 保持ポリシー:古いエビデンスを7〜30日後に自動削除する。
- ストレージ使用量、リクエスト数、コストを監視する。
Phase 3 — 評価・拡大
2〜4週間の実運用後、有用性、削減できた時間、ストレージ量とアクセス量、実際のコスト、他のワークフローへの展開ニーズを評価する。
4想定コスト
まずは Free プランで開始し、有料プランの契約はしない。
- R2:毎月 10 GB-month、Class A 100万リクエスト、Class B 1,000万リクエストまで無料。超過分は $0.015/GB-month、Class A $4.50/100万、Class B $0.36/100万。egress は無料。
- Pages:Free プラン $0。上限は月500ビルド、1ファイル25 MiB。
- Access:Zero Trust Free $0、最大50ユーザー。
- Workers:無料枠は1日10万リクエスト、1リクエストあたり CPU 10 ms。Workers Paid はアカウントあたり月額 $5 から。
| R2 平均保存容量 | 月額ストレージ費用 |
|---|---|
| 5 GB | $0 |
| 10 GB | $0 |
| 50 GB | 約 $0.60 |
| 100 GB | 約 $1.35 |
ストレージ費用のみ。リクエストは無料枠内と仮定。
POC の目標予算は 月額 $0。無料枠を超える場合や Workers Paid が必要になった場合は、費用が発生する前に使用状況を報告し承認を得ます。あくまで目標であり、すべてのケースで無料になることを保証するものではありません。
5メリット
- 既存インフラを活用でき、準備時間を短縮できる。
- 初期コストが低く、追加購入なしで試せる。
- CI/CD や自動テストとの連携が容易。
- チームが主体的にエビデンスを共有・プレビュー・レビューできる。
- 複数のプロジェクトや社内ワークフローで再利用できる。
6デメリット・リスク
- 初期設定、権限設定、連携に時間がかかる。
- 想定外のコストを避けるため、容量・保持期間・使用量の管理が必要。
- 機密データを含むバケットやレポートは公開しない。
- お客様データ、認証情報、トークンは、該当ポリシーの承認なしにアップロードしない。
- 共有アカウントのため、アクセス権、オーナー、引き継ぎ手順を明確にする必要がある。
7Cloudflare Tunnel との比較
Cloudflare Tunnel(現在チーム向けレポート配信に利用中)は手軽で無料ですが、常時稼働するマシンが必要で、履歴は残りません。R2 + Pages は実行ごとにエビデンスを保存でき、個人のマシンに依存しません。用途に応じて併用も可能です。
8提案
R2 + Pages + Access による 約1週間の POC の承認をお願いします。Workers は実際に必要になった時点で追加します。POC 終了後、デモ、実際のコスト、セキュリティ上の課題、次のステップをまとめ、拡大するかどうかをチームで判断できるようにします。